はじめてのポージング!その3 ~足IK・センターボーン
ポージング実践編、その3です。
上半身下半身~腕まわり・指…と来て、遂に「初心者が最もつまづきやすい」と名高い、移動ボーンの説明です。
MMDモデルの足を高くあげようとした時…
ひざを曲げさせようとした時…
人間の体でいうと「ふともも」部分にあたる「足ボーン」。これを動かそうとしても…あまり動きません。
「すね」部分には「ひざボーン」もありますが…これもあまり…動きません。
ではどうやって足の位置を動かすか。
MMDモデルのボーンには、今まで操作してきた「回転ボーン」と、「移動ボーン」というものがあります。
回転ボーンは「それぞれの位置で向きを変える」ことしか出来ませんが「移動ボーン」は「そのものの位置を移動する」ことが出来ます。
足をあげたり、位置を変えたりするために「足IK」という移動ボーンがあります。
位置的には、くるぶしのあたりにあります。
移動ボーンの操作には、やはりMMD画面右下のアイコンがおすすめです。
今まで使用していた上の一列は「回転アイコン」下の一列が「移動アイコン」です。
移動ボーンを選択すると、色がついて操作できるようになります。
まず赤のXアイコンを操作してみましょう。
向かって左右に、位置を移動させることが出来ます。
また、画面下にあるボーン位置・角度入力ボックスは非常に便利なものです!
数値を入力しEnterを押せば、その通りに位置が移動しますし(もちろん回転の数値入力も出来ます)、数値ボックスの横にある四角いX・Y・Zボタンを押せば、その数値だけが初期化されます!
使っていくうちに、これらの機能の便利さに気づくと思います(最初のうちは、その恩恵にあずかることはまだ少ないかもしれません)。
さて、緑のYアイコン。上下に動かせます。
青のZアイコンは、向かって前後。正面からだとわかりにくいですが、奥行きです。
これらの機能を使って、GUMIさんの足にポーズをつけていきましょう!
まず上にあげますね。Yアイコンを使います。
Yであげてはみたものの、何か同じようになりません。
お手本の足の位置をよく見てみましょう。すねの部分が、結構前に出てますね。
前に説明した通り、ここで「すね」部分にある「ひざボーン」を動かしても、うまくいきません。
あれは回転ボーンなので、向きを決定することしかできないのです。
足の位置がもっと前にくればいいわけなので、足IKをZアイコンで、手前に移動させます。
だいぶお手本のポーズに近づいてきました!
細かいことですが、あげた左足の足先が、お手本の方は「足先を伸ばしている」感じがします。
足IKを回転させて、足先にも細かい表情を付けましょう。
そう、移動ボーンは、回転もできるのです!
足IKを選択、いつものように、回転ハンドルでも回転アイコンでもいいから、回すだけ。
XとYをちょっといじってあげると、お手本に近くなるかな?
だいぶ出来てきましたが、お手本と並べてみると、なんとなく落ち着きが悪い。
右足一本で立ってるはずなのに、ちゃんとそっちに重心が乗っていません。
このような、モデル全体の重心の位置を調整するには「センター」というボーンが使われます。
だいたいモデルの脚の間あたりにあるボーンです。
センターボーンを下に下げればモデルのひざが曲がり、しゃがませることが出来ますし、上にあげればジャンプさせることも出来ます。
ここではお手本の重心が右(向かって左)に寄っているので、センターを選択し、Xアイコンで左に動かすことにします。
センターの位置を、Xで-0.80移動しただけなのですが、だいぶバランスがよくなりました。
このほか、脚の向きを細かく調整したい!なら、さきほど足をあげるのには使えなかった「足ボーン」「ひざボーン」などで、脚の向きを好みに調整したりも出来ます。
右足先の向きがちょっと違う!と思ったら、右足IKを回転させて、向きを調整しましょう。
まとめ・ 足まわりにある色んなボーンの使い方
足周辺には色んなボーンがあり、どれをどう使うのか?迷うことも多いと思います。
飽くまで私の考え方ですが、ざっくり使用用途一覧を作ってみました。
足IK :最もよく使うボーン。足先の向きもおおむねこのボーンの回転で対応する。
足首 :どうしても足IKで足先の向きを変えきれない時にだけ使う調整用。使用は最小限にする。
つま先IK :特殊用途以外(キックなどの調整時)あまり使わない方が良い。ただし使わざるを得ない場面も多い。
足 :脚全体の向きを変える時に使う。内股にしたり、ガニ股にしたりするのに便利。
ひざ :足ボーンとほぼ同じ。使用頻度は低め。
足まわりのモーションを作りはじめると、足IKが思うように動かず、つい足首やつま先IKで足先の動きを調節したくなると思いますが、なるべくこれらは最小限にしておくと、他のモデルにモーションを使おうとした場合に修正が比較的容易になります。
すべてのモデルは、身長も違えば、腕の長さも違う。体格はそれぞれで、ボーンの位置もかなり違ってきます。
モーションを流し込んだ際、一番修正が難しく、またモデルによって適合しにくいのが足回りです。足の大きさ、靴をはいているかいないか、それらが全て異なるため、Aのモデルではキレイに動いたモーションが、Bのモデルに流し込むと足首がひっくり返ってる…なんていうのも、よくあることです。
飽くまで「あえて言うなら」ですが、足首やつま先IKで足先を調整すると、モーションの適合しやすさは、どうしても下がります。
なので、「どちらかと言えば」できる限りは足IKだけで処理をした方が、いいかもしれないなあ…というのが私の意見です。
ただし、静画で、特にほかのモデルに流しこむわけでもなく、このモデルで作った結果さえよければそれでいいヒャッハー!!ならもちろん、どんなボーンをどれだけ使おうと自由です(*´∀`*)
結果良ければすべて良し!!!