はじめてのMikuMikuDance!

管理者:工藤P  MikuMikuDanceこと「MMD」の初心者向け操作解説ブログです。

MMD「よくある質問」・1 ~「足首ぐるん問題」と「リップシンク作成ツール紹介

この項目では、生放送などをやっている時に、非常によくある質問への回答・参考リンクを並べていきたいと思います。
今回は「足首ぐるん問題」と「リップシンク作成ツール紹介」。


●モデルの足を高くあげた時に、足首がぐるんと回ってしまいます。


キックをさせたい時、チアガールの足上げのような動きをさせたい時、足をウェストの位置より高くあげたい場合は、誰がどうやっても足首がぐるんと回ります。これは構造上仕方ないことです。

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ただし、モデルの足回りの動きは「センター」「下半身」「足」「足IK」などのボーンのバランスで成り立っているものです。モデルを人間らしい動きに近づけるべく調整すると、足首ぐるんがある程度は直ります。
モデルを横から眺めてみて、センターの位置がおかしくないか(特にZ方向)下半身の向きがおかしくないか(脚を高くあげれば、下半身ボーンの向きは直立ではなく前に向かって浮き上がるように傾くはず)。この2つを直すと、足首ぐるんがややましになることが多いです。
また、足ボーン(足IKではない)の向きを変えてみるのも良いでしょう。

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それでもやはりちょっと不自然に足首が回転してしまっている、という時。

「モーションを作りたい!」場合は、なるべく「足IK」を回転させて直しましょう。
足首やつま先IKなど色々な補正方法がありますが、これらをたくさん使えば使うほど、最終的にわけがわからなくなってくる可能性があります!足IKで頑張ってみて、どうしても上手くいかない場合はそれらを使用してください(部分的に使ったあとは、それらの補正がいらなくなった場所で「初期化」して戻すのを忘れずに!)。

※もちろん使い慣れている方はどんだけボーンをいっぱい使って調整してもらっても構いません。最初のうちは、なるべくシンプルなボーンで作った方がわかりやすいと思うので、そう勧めるだけです。

「静止画を作りたい!」なら、どのボーンをどう使っても、その1カットで良く見えればいいと思います。




リップシンク口パク)はどうやって作るのですか?


モデルが歌を歌ったり、しゃべったりする時のあいうえおの口の動きをつけることをリップシンクと言います。

リップシンクは、いわゆる「手付け」(ツールを使わず、自分でMMDの画面を見て音を聴きながら表情モーフを調整して作る)で作成する人と、専用の便利ツールを使用して作る人がいます。
ここでは、比較的とっつきやすい便利ツールを紹介させていただきたいと思います。


1.MikuMikuVoice


MMDの作者・樋口さんが作ったツールで、「VPVP」でDLできます。(VPVPの下の方、1.6 なんちゃってツールというのがそれです)

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WAVファイルを読み込むと、青い波形が表示されます。「再生」を押すと音声が再生されるのがわかると思います。
「+」ボタンで表示を拡大し、音声を作りたい場所で停止し、波形の上を左ドラッグすると、波形の上がからし色…みたいな色で選択されます。
「この部分は『あ』の発音」というところを選択し、「発音」というボックスに「あ」と入力して「登録」すると、「あ」と書かれたボックスが表示されます。
この部分は「あ」と発音するように設定されました、という意味です。
このようにして、歌詞などの単語を入力・登録していき、最終的にvsqデータ(MMDに読み込める口パクデータ)として出力することが出来ます。
説明書を読むと色々細かく出来そうなのですが、私はそれを無視して(…)ざっくりと口パクデータを作りたい時に使用します。
ツールで最初から細かく作るよりは、おおまかに作ってMMDに持って行ってから細かく調整するのが私のやり方なので、このツールを結構使っています…

注※ちなみにこのツールで作ったvsqデータをMMDに読み込む時、何か上手く目当ての場所に読み込めないことがあると思います。
とりあえず何も考えずポンと読み込むと、キーフレームが赤く選択された状態で読み込まれると思うので、「コピー」してから「削除」し、お目当ての部分のフレームに移動し、そこに「ペースト」してから微調整するのがおすすめです…


2.FaceAndLips

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たぶんツールとして今一番使われているのがこれではないでしょうか。
MMM開発者のMoggさんが作った、MikuMikuVoiceの多機能便利版といった感触のツールです。
特筆すべきは、使用したいモデルをツールに直接読み込み、実際に表示させた状態で調整が出来ること。
バージョンアップを重ね、視野角まで調整できるようになっています。
そして、リップシンクだけでなく、それ以外のまばたきや笑いなどといった表情モーフの調整も同時に出来るのが特徴です。

FaceAndLips配布ページはこちら。
また、こちらのマニュアルにて詳しく説明されていますので、ここでの説明は省略させていただきます。
私も時々このツールのお世話になっています。

3.VmdLip

 

Takotuboさんが作った、打ち込んだテキストをそのまま口パクデータとして出力してくれるツール(配布は上の動画の動画説明文より)。
(テキストはひらがなで打ち込む必要があります)

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上の2つと違ってWAVファイルを読み込んでそれを参照しながら作ることは出来ませんが、長いテキストをひらがな打ちで入れれば出来上がるのがこのツールの魅力。

こちらの記事で紹介されているように、VmdLipとFaceAndLipsの合わせ技で作るのは上手いやり方かもしれません。
【MMDフルボイス部】プレスコ収録時の口パクの効率的な作り方呪怨P)



主なリップシンク作成便利ツールは以上です。
やりたいことによって向き不向きもあると思うので、いろいろ試してみて使いやすいものを選んでください。
慣れて原理がつかめたら、手付けにチャレンジしてみるのもいいと思います。



(※このほかにもRhythmicaLyricsという音ゲー感覚で作れる面白いツールがあるのですが、元のページにつながらない状態です…以下、VectorからDLはできるのでリンクをはっておきます)

 

http://www.vector.co.jp/soft/winnt/art/se416371.html

 

MMD「よくある質問」・2 ~「モーション修正」と「ちびキャラ用モーション修正」

モーションを借りてきて、自分の好きなモデルに流し込んで踊らせる。
手軽に出来ますが、モデルはそれぞれ、背の高さから腕や脚の長さ、頭の大きさ、肩幅、衣装、胸の大きさなど千差万別です。
だから、モーション制作元と完全に同じモデルを使うのでない限り、腕が頭を貫通したり、腰に当てているはずの手が浮いてしまっていたりと、修正しなければいけない箇所が出てくるのはある意味当然です。

場合によってそれぞれですが、簡単に私の場合の直し方を。

1.腕まわりの動きを直す

腕の動きがおかしい時は、基本的には肩から直すのが私のやり方です。
なぜかと言えば、一番動きが目立ちにくく、かつ根元にあるボーンだから。
腰にうまく手があたってないくらいなら、肩ボーンの向きを調整すればすぐに直せます。

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(お借りしたモデル・Lat式冬服ミク/roco式オランダ お借りしたモーション・LoveTimer/ブレン坊)

それでもいまいち上手くいかない…という場合は、ひじや腕、手首を直します。

2.足首を直す

モーションを入れたら、なぜか足首がひっくり返ってる…
そんな経験をしたことのある方は少なくないかもしれません。

足まわりのモーションは、足IK・センター・下半身・足ボーンなどの精密な調整をされ、ギリギリのバランスで成り立っているもの。
しかし、何度も言うようにモデルはみな脚の長さ・足そのものの大きさや厚さ(裸足か靴かでも厚みが違ってくるのわかると思います)、ボーンの位置などが違います。
なので、モーションを入れただけで全て完璧に上手くいくことは少ないと思ってください。
だいたいの場合は、つま先が沈んだり足首がひっくり返ったりします。

そして、これを直していくのはなかなか難しい…
手練のモーション職人でも、あまりやりたくないんじゃないかと思います。

私が勧めるのはまず「映さない」
つまり、先にカメラを付けてしまって、おかしい足首から先は映さないようにする。
真面目にこれはかなりおすすめです。映さない方がラク!!

どうしても直さなければいけない場合は…
私は足IKの回転で直しますが、人によっては足ボーンの向きを直したり。足首ボーンを補正的に使ったり。
まあ、先にも言ったようにセンター・足IK・足ボーン・下半身のどこかを直せば、バランスが直る確率はあります。
面倒なので、カメラで映るところだけ足IKの回転を手付けで直してしまうのが私のやり方です。
(足首ボーンをあまり使っていないモーションなら、足首ボーンで直すのもいいかも)

モーション修正には「手付けで直す」「フレーム位置角度補正で直す」「ボーンを多段化して直す」など、色んなやり方があります。
ものによっては、多段化が一番ラクだったりもします(もとの動きに変化を加えず直せるため)。

詳しく説明してくださっているところを紹介しますので、上の私のざっくりすぎる説明よりそちらをご参考に…

【MMD tips】フレーム位置角度補正の有効活用(ぱぴこさん)

モーション修正 多段化活用編(切な顔P)

上の記事を動画で説明したもの




補足:ミニキャラ・ちびキャラのモーション修正

小さくてかわいいちびモデルに、かわいく踊ってもらいたい!!!

…こんな素直な気持ちでモーションを入れたのに、あらふしぎ…ボディが床に埋まる!!足が大変なことになる!!
そんな思いをした方もたくさん居ることでしょう。

上でも説明しましたように、普通の等身のモデル同士でも、モーションに修正が必要になるのです。
二頭身や三頭身のモデルにモーションを入れて、不具合が出ないわけがない!

だいたいの場合、ちょっとの修正では追いつかないほどのものすごい状態になるのではないかと思います。
では、ちびキャラで既存モーションでかわいく踊っている動画はどのように作られているのか。

私の場合はまず

1.MotionConverterで、モーションを調整する。

MotionConverterとは:Yuminさんが配布しているモーションデータ調整ツール。頭身の違うモデルへモーションを入れる場合に、スケールを考慮して調整したモーションを作成してくれます。(説明・配布場所はこちら

これで、センターや足の位置が補正され、パッと見はかなり直ります。
4~5頭身くらいの子供モデルなら、これで十分かもしれません。
(※ただし、ツールで変換できるのがpmdモデルのみという制約があります)

しかし、2~3頭身のちびモデルとなると、頭が大きかったり腕が短かったりして、そのあたりの補正が求められます。

2.それ以外の箇所を補正する。

頭が大きく腕が短いと、まず、「頭の上で手を叩く」というようなモーションが不可能になったりします。腕が完全に頭にめり込んで見えなくなったりするのです。
基本的に腕を高く上げるモーションは全て鬼門になるので、そのあたりをどう修正していくか…
私は全部手付けで「それっぽい動き」に直します。


上記のような手法以外にも、フレーム位置角度補正で直す方法もあります。
こちらもリンクを紹介致しますので、参考にしてください。


異なるモデルのモーション読み込みについて(@guttaliさん)

 
おっぽこ達用にモーションサイズを小さく修正したい(きりあさん)

MotionConverterを利用してみんなもっと高良モデル動画作ろうず!(きりあさん)