動画を作ってみよう!・7~avi出力からエンコード
今回は、avi出力とエンコードについて…
表情の話をする前に、要望がありましたので、先にこちらをあげることにします。
順番が前後してすいません。
動画が完成したら、アップロードするために「エンコード」という過程が必要になります。
(※ここでは、ニコニコ動画に投稿するという前提で話を進めます)
MMDからはaviという形式で動画を出力出来ますが、そのままではデータが非常に重く、また他の環境では見られないこともあります。
その為、mp4という形式にエンコード…動画の形式を変換し直す作業をしなくてはいけません。
色んなやり方や環境があるのですが、とりあえず最も一般的かつ簡単であると思われるあたりを細かい説明はなるべく端折ってざっくり紹介します。
MMDを起動し、出力したい動画のファイルを開きます。
必ず「モデル操作パネル」から「カメラ・照明・アクセサリ」のモードにします(そうしないと、カメラと照明が反映されません)。
まず、avi出力からですが…
その前に、動画の出力サイズを決めましょう (これはむしろカメラを付ける前に決めるべきだったかも!すいません!)。
出力サイズは何がいいとかは難しいですね…まったくもって人それぞれです。
アスペクト比を決めましょう。
アスペクト比とは、画面の縦横比のことです。昔からのテレビ画面サイズは「4:3」、ハイビジョンなんかで使われるワイドスクリーンサイズが「16:9」です。
どっちにしたいかはその人次第。
私は昔からの癖で(※ニコ動でのアップロード最適サイズが昔は512×384だった)「512×384」及びその倍の1024×768で出力していますが、最近はワイドサイズで投稿される方が多いかと思います。
下の比較を見てもらってもわかる通り、見た目の印象がまったく異なってきます。
ここでは「640*360」サイズで出力する、と決めたとします。
(※私は現在1280×720で出力しています。大きくすればするほど動画自体の画質は上がりますが、同時に重くなります。出力も遅くなります。自分の環境と相談して、サイズを決めましょう)
出力サイズを決めるには…
MMDのメニューバーから「表示」→「出力サイズ」で入力します。
なんでこんな所にあるの!!って思うかもしれませんが仕方ない。ここにあるのですから。
さて出力サイズを決めたら、avi出力をしましょう。
動画が何フレーム目まであるかチェックします。この動画はだいたい1分30秒弱です。後ろの方を見て、2500フレーム目まで出力したい!と決めたとします。
メニューバーから「ファイル」→「AVIファイルに出力」とすると、ファイル名と保存場所を決めるウィンドウが出てきます。
保存場所は初期状態ではMMDフォルダの「UserFile」の中になっていると思います。どこでも自分で便利なところに出力してください。
わかりやすいファイル名を入力し、下の「ファイルの種類」のところは「AVI files」のままにして、「保存」を押します。
そうすると、「AVI出力設定」のダイアログが出てきます。
上から順に。
「録画サイズ」→出力サイズです(なぜかここでは入力できません)。
「フレームレート」→1秒間に何枚のフレームを使用するかを決めます。MMDは1秒30枚設定なので、fps30にする人が多数派です。
フレームレートを低くすると、簡単に言えばアニメのセル画の枚数が減るようなものなので、カクカクした動きになります。上げれば滑らかな動きになります(60にする人が多いです)が、データは当然その分重くなります。
「録画フレーム」→ここ注意! 何フレーム目から何フレーム目まで出力する、と入力せずに0~0のままだと当然何も出力されません。初心者にありがちなミスなので気をつけましょう。
また、「WAVE出力」の項目で「WAVEも出力する」にチェックを入れないと、音声なしの動画になってしまうのですが、チェックを入れても「録画フレーム」を0から出力にしないと、音声なしのファイルになります。
こればっかりは仕様ですとしか言いようがないので、音も一緒に出力したい時は、必ず録画フレームを0から出力にしてください。
「3D出力」の部分はここでは無視してください。私も使ったことがありません(^^;)
そして、一番下の部分…「ビデオ圧縮コーデック」ですが、ここでは「未圧縮」にしておきましょう。
※未圧縮だとファイルが大きすぎて私の環境じゃ瀕死!という方は
或るプログラマの一生さんからUtVideoCodecを入れ、出力時に「Ut Video Codec RGBA(ULRA) VCM x86」を選択するといいかもしれません。
ここまで選択し、「OK」を押すと、録画(出力)が始まり、録画ウィンドウが現れます。
さて、出力時間はそれぞれの環境で千差万別です。PCパワーがものを言う瞬間。スペックが低いと非常に時間がかかります。
モデルの人数が多かったり、ステージが重かったり、エフェクトを多用していると、もちろんその分出力は遅くなります。
グラフィックボードがRadeonの時も遅くなるようですが…現在、それを高速化するツールが存在します。かなり速度が上がるようですので、Radeonの方は是非!
参考:RadeonでMMDのAVI出力を超高速にするツールを作りました(らくさん)
出力が終わると、録画ウィンドウが消えて、MMDが通常の状態に戻っています。
出来上がったファイルは大抵、「~GB」などと、かなり大きなファイルになっていると思います。(なので、そのまま例えばWindows Media Playerなどで再生すると、上手く再生できなかったり、カクカクしたりするかもしれません。そうなっても、とりあえず試しにエンコードしてみましょう)
これを、ニコ動にアップロードできるように「エンコード」しましょう。
●つんでれんことAviUtl
初心者が一番とっつきやすいのは、「つんでれんこ」というツールだと思います。
ともすればドツボに陥りがちなエンコードという作業を、選択肢を選んでいくだけで良い具合に仕上げることが出来ます。
さきほどMMDから出力したファイルをドラッグ&ドロップするだけで、ニコ動に投稿するのに最適なmp4ファイルを吐き出してくれます。
以下のリンクを参照。
つんでれんこのお部屋(※つんでれんこ製作者・窓屋さんによる配布サイト)
つんでれんこによる、エンコードのすすめ。超初心者さんへの使い方講座。(誠の道を進みたい -2nd VISION-)
そしてもう一つ、「AviUtl」です。こちらはエンコードツールというよりは動画編集ツールです。
フリーのツールですが非常に高機能なため、愛用者は数多くいらっしゃいます。個人的には有料ツールのPremiereとかよりも余程使いやすく感じました…
もし今後、MMD上の動画作成だけでなく、動画編集も加えたい!と思う方は、こちらにも挑戦してみることをおすすめします。
最初のセッティングにいくらか時間を要するかもしれませんが、懇切丁寧に説明してくださっているpdfファイルをこちらからダウンロードできます。
【AviUtl解説誌】拡張編集Plugin詳説【配布】
動画説明文のところにあるリンクから。こちらのテキストに従って、私もつい最近使い始めました…
●ニコニコ動画にアップロード
出来上がったmp4ファイルを、早速ニコニコ動画にアップロードしてみましょう。
この時、プレミアム会員であるかとそうでないかで、色々と差が出てきます。
一般会員がアップできるmp4ファイルの上限は40MBですが、プレミアム会員は100MB。
ビットレート(※1秒間に送受信できるデータ量を表す語句)の上限も、一般会員は600kbpsまでですが、プレミアムでは制限なし…など、高画質でアップロードしたい!と思ったら、一般会員には様々な壁があります。これは仕方ない。
ただし、とにかく何が何でも高画質がいい!とも言えません。
高画質な動画は、結果として重くなります。重い動画を、低いスペックの環境の人が見るのはなかなか大変。「この動画、重いから見るのやめた!」なんてことも、ありえないとは言えません…
その辺の兼ね合いも難しいところ… 自分の環境では難なく見られても、スペックの高くない一般会員が見るのは一苦労、なんてことも良くあります。
プレミアム会員だからと言ってビットレートを天井知らずに上げたり、やたら大きなデータの動画を作っても、見てもらえないんじゃ意味がありません。
この辺は誰もが悩むところです。大いに悩み、選択しましょう。
ニコニコ動画にログインし、右上の「動画を投稿」というところをクリックします。
するとこのような画面に切り替わりますので、「ファイルを選択」を押し、エンコードしたmp4ファイルを選びます。
すると、「ファイルを選択」ボタンの横にファイルの名前が現れるはずです。
必要ならば完了通知の設定などして、利用規約を熟読した上で、「本ページ記載内容及び利用規約に同意し動画を投稿」という黒いボタンを押します。
すると「動画情報の入力」画面に切り替わります。
「サムネイルの選択」:サムネイルとは、動画が一覧表示された時のためのアイコンのようなもの。サムネイル選びは非常に重要です!自分で動画を見て回る時でも、つい見たくなるサムネとそうでないサムネとあるはず。慎重に選択しましょう。ここで一度選んでしまうと変更はききませんので、変えたくなったらもう一度アップロードし直すしかありません。
ランダム作成と時間指定作成が出来ます(時間指定は分・秒の次にミリ秒を指定できます)。慎重にやるなら断然後者です。ここぞ!という決め顔サムネを選びましょう。一般に、キャラのアップ顔の方が吸引力は高いとされていますが、工夫次第…
「動画タイトル」:これも非常に重要です。思わず見たくなるようなタイトルを考えましょう。
「動画説明文」:好きに書いていいと思いますが、音源・モデル・モーション・ステージ・アクセサリ…その他、借りてきているものに対する記載などを忘れずに(多数に及ぶ場合は、動画編集ソフトなどで動画内に文字入れをし、一括記載する方法もあります)。プレミアム会員はHTMLタグを使えます。
「カテゴリタグ」「タグ」:合っていると思うものを選びましょう。ジャンルによっては、タグの付け方に細かいルールが設定されているところもあります。ニコニコ大百科などでジャンルタグについて説明がある場合、そこを参照するも良し。ジャンルの動画のタグを見てまわって、空気を読むのも一つの手です。
どうしても分からない場合は、動画説明文に「初心者なので、タグ付けがおかしかったらご指摘お願いします」と書いておくのもいいでしょう。謙虚な初心者にはおおむね親切にアドバイスをくれると思います。
個人的には、「MikuMikuDance」タグを付けることをおすすめします。このタグを付ければ、「MikuMikuDance」タグで検索をする人が、あなたの動画を見てくれることになります。
ここまで入力が済んだら、下の公開設定などの部分も選択していき…
一番下の「この内容で登録」という黒いボタンを押します!
混雑状況によって、少し待ったりもしますが…
画面が自分の投稿動画のところに切り替わり、先程選んだサムネイルが表示されていれば、これでついにニコニコに投稿できましたー!!ヤター!!!
…さて、かなりざっくり説明してしまいましたが、エンコードというのは、なかなか一筋縄ではいかないものです。
環境によっても、またエンコードする動画の種類によっても、それぞれまったく違ってきます。
「こうすればいい」という正解はないのです。
もしかしたら、納得のいくまで何度も何度も終わりのない(しかも時間がかかる…)作業を強いられるかもしれません。
でも、それは皆が通る、避けて通れない道なのです…
※MMDerさんたちに、エンコード時の設定はどんなものかとお聞きしたまとめのリンクをはっておきます。
非常にためになる内容だと思いますので、是非ご一読ください!
これを見て「人それぞれなんだなー」と感じていただき、参考にできるところはして、自分の動画を美しく生み出すため、頑張ってみましょう!(^^)
MMDerに聞きました!エンコード時の設定はどんな感じ?
※MMDから出した動画を編集ソフトで編集する時など、上で説明した「未圧縮」ではないコーデックで出力する場合などもあります。
(未圧縮だとサイズが大きすぎる、などの問題があるため)
その辺に関してはVPVPwikiの「アドバイス/エンコード関連」などを参照し、勉強してみてください。
参考:ニコニコ動画まとめwiki